スカパーの山口百恵特集。 |
架空庭園論は確かにおもしろいアルバムだった。ドラムの山木秀夫さんもパーカッションで参加しているが、25年以上昔ということもあってみんな若い(笑)。
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今日は山口百恵さんのお誕生日ということもあって、スカパーでは一日中百恵さんの映画をやっている。今思うと、70年代の映画やバラエティは放送禁止用語やシーンも多く、民放では流せないものも多い。そのせいか能動的に観ていかないと、楽しむ機会がないのがとても残念である。ただ好きな人にはこの悠長さがたまらない魅力に映っているはず。ちなみに私は、その魅力に惹き付けられている一人である。
簡単に百恵さんの映画の感想を書いてみた。今日は全作品放映されるらしい。久々なので、時間を見つけてまた観たいと思う。
■伊豆の踊り子
デビュー作。百恵さんがあどけない。友和さんと五目並べをしているシーンが、なんともいえずキュート。最近はアイドルが、純文学の作品を演じるということが一切なくなった気がする。純文学って素敵なのに。
■潮騒
三島文学にしては、珍しく素直な恋愛物。でもこういう作品を観ると、三島がただのツンデレなのではないかとも思える(笑)。嵐の夜、裸で抱き合うシーンが広く知られているが、裸うんうんよりも二人だけの秘め事として、小高い観的所を選んだのがよかったのかもしれないと思う。
■絶唱
映画の冒頭が起承転結の〈結〉になっており、回想するところからはじまっている。百恵さんは小雪さんのようなけなげな役が多い。当時の風潮だったのかもしれないが…。私の好きな大坂志郎さんも出演している。
■エデンの海
初期の百恵さんの作品には珍しい現代物。白い水着を着て、馬に乗るシーンがなんとも大胆。秋吉久美子さんもこのシーンを観て、山口百恵という役者はタダモノではないと思ったそうである。余談だが、作品のなかにカエルをさばくシーンがあるが、これは今だと放送禁止に値するのかもしれないと思う。
■風立ちぬ
百恵さんと友和さんの自転車の二人乗りが実に楽しそう!その一方で、芦田紳介さんの最後の電話のシーンが哀しい。若き日の松平健さんの姿も楽しめる。
■春琴抄
この映画は苦手…。映画の内容うんぬんではなく、谷崎文学がダメなんだと思う。基本的にマゾではないので、こういう世界はよくわからない。
■泥だらけの純情
この映画を機に、百恵さんの映画は現代物が多くなる。主人公の真美は、今観るとストーカーにも見れなくはない。70年代の新宿西口を満喫できる映画(笑)。
■霧の旗
百恵映画の傑作。18歳にして父親ほどの年齢が離れた、三國連太郎さんを誘惑するシーンは白眉に値する。こういう女性の執念を表現すると、百恵さんは光る。
■ふりむけば愛
70年代の映画は、ストーリーが極端すぎる。行きつけのBarの名前を伝えて、そこで再会しようという約束はありえない気がする(笑)。電話番号を交換しましょう。
■炎の舞
百恵さん扮する主人公が負傷した男の足を介護し、治った頃に再び出征に出てしまうというなんとも悲劇的な展開。出征の際に見送る百恵さんが、とても美しい。
■ホワイト・ラブ
ブランコに乗って酒を飲むBarが新鮮(笑)。闘牛のシーンは、おそらくリハーサルなしだと思われる。すごい迫力。この映画のインストロメンタルはとてもかっこいい。
■天使を誘惑
大好きな藤田敏八監督脚本の映画。〈若者〉〈同棲〉〈なりゆき〉を描かせると、彼をしのぐ人物はいない。ラストシーンが、いわゆるアイドル映画にしていない感じがする。もっと山口百恵×藤田敏八の作品を観たかった…。
■古都
この頃の百恵さんは、本当にキレイだと思う。一人二役を百恵さんは演じているが、村娘役はいささか黒めのドーランを塗っているようだ。この少女がとても切なく、やりきれない。