自然体という〈技〉を身につける。 |
斉藤孝さんが書いた『身体感覚を取り戻すーー腰・ハラ文化の再生』(NHK出版)のあるページに掲載されているものなのだが、これを見たときに強く惹かれてしまった。「バカな!」「うつくしい!なんとうつくしい自然体だ」とセリフにあるが、見る人が見ればわかる自然体とはいったいどういうものだろう…と思うようになったわけである。
この本には“立つことが技。自然体は技である”と書いている。私は骨折を通じで〈立つこと〉〈歩くこと〉を理学療法士に教えてもらっていたが、いつしかこの〈自然体〉の技を生涯通じて追い求めたいと思うようになってしまった。肉体をもっているわけであるから腰やハラとは無縁ではいられないし、〈立つこと〉〈歩くこと〉はいくつになっても関わってくることである。しかも〈自然体〉という技は哲学といっしょで、解答があるようでない。技というものはたいがいそんなものであるが、ここがなんといってもクリエイティブでおもしろい。自分なりに技を積みあげていくしかないのであろう。
年齢を重ねるにつれ、カラダを動かすことが楽しくなってきた。以前は、ふだん使っていないカラダの箇所を使うということが心地いいと感じられなかったが、最近はそれが実感としてわかる。生涯を通じてうつくしい〈自然体〉を身につけられたら、幸いである。