初心に還る。 |
クライアントは、ベルポートの近くのビルに入っていた。私がスーパーで働いていた頃は、ここにはまだ〈いすず自動車〉の事業所があって、そのスーパーくらいしかなかったのである。今ベルポートは、ニフティの本社などが入っているが、当時はあの町に大きな会社がたくさん入ることなど思いもよらなかった。ベルポートができてから、近くにイトーヨーカドーもできたようで、今日は拓けた大森の姿を見て驚いた。
ミーティングが終わると、15年ぶりにこのスーパーに足を運んだ。ショックだった。かなり寂れてしまっている。私の地元のスーパーの閑散ぶりにも驚いたことがあったが、その比ではない。いつ倒れてもおかしくないのかもしれないと感じたのだ。どの階も店員しかいないようにしか見えず、商品も破壊的な価格。私が働いていた頃はスーパーといえども活気があって、品揃えも田舎の百貨店と大差がないものだったのに。
580円の時給だったが(笑)、時はまだバブルだった。今思うと、経済は元気いっぱいだったのだ。働いていたフロアに行くと、哀しいことに当時の床の雰囲気だけが残っていた。涙が出そうになった。
大森に行くと、初心に還れるように思う。この時期に大森に行くチャンスがあったのも、啓示ではないかと思えてしまった。
■スーパーの社員通路近く。この景色は、当時とちっとも変わっていない
■ところが後ろを振り向くと、ベルポートが。この奇妙さが、いかにも東京の風景だと思う
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すでに知っている人は多いのかもしれないが、ワコールの肌着のプロモーションがおもしろいと思う。“ピーマン2個分の軽さ”を謳い文句に、ワコールとJA宮崎が共同でプロモーションを行ったのだ。
その概要を話すと、JA宮崎が出荷した全国のピーマンの袋に、この肌着のプレゼント告知のシールをつけたのである。つまり食品売場で衣料品売場のプロモーションを行うという、奇想天外さがあるわけだ。これには久々に揺り動かされてしまった。
おそらく宮崎のJAも、二つ返事でOKを出したに違いない。いや、断る理由がないはずだ。