ある日本人の暮らし@暮らしの手帖 |
しかし所詮、酔ってハメをはずしすぎた、というだけの話である。笑ってすむような話に、それほどムキになる必要もないのではないか?最近は寄ってたかって人を非難する傾向にあるが、そのほうがはるかに問題としては大きい。むしろそこを解決する手段はないかと考えたい。
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古本屋で久々に『暮らしの手帖』を購入する。たくさん並んでいたが、表紙で選ぶ。ビーズでつくったアクセサリーが並んだもの。かわいらしい。
内容もやはりよかった。旅行カバンの上手な詰め方の特集には、衣類のたたみ方が載っている。今とたたみ方はほとんど変わらないのに驚く。
1960年代の『暮らしの手帖』のなかで、私の好きな連載がある。〈ある日本人の暮らし〉。市井の人々を取材したものだが、みな貧しいながらも強く逞しく、優しく生きている。今回は大工の親子の話だった。丁稚奉公に出た男が結婚をし、三人の男の子を育てる。長男は父の跡を継いで大工になったものの、バイク事故に遭い、足が不自由ながらも大工を続けることを決める。三男は配給でもらったコンデンスミルクが腐っており、それがもとで運動中枢がマヒしてしまう。そんななか、家族が力を合わせてなんとか家計をやりくりしている。これだけ貧しく大変なことが次々と起こっているのに、ほのかな幸せを読み取ることができるのが不思議だ。まあこの温かさが好きで、読んでいるのだけれど。
『暮らしの手帖』は我が家に10冊ほどあるが、これからもっと集めていきたいと思う。