文学やエンターテイメントのなかの放蕩。 |
しかしある程度の年齢になると、太宰が好きだというのは何となく気恥ずかしい感じがしていた。イイ年をしてモラトリアムかよ、などと思えてきてしまったのだ。しかし今の年齢になると、そういう人間もいるだろうなと思えるようにもなってきた。とはいえ、現実にああいう男が周囲にいたら、勘弁してもらいたいなと思ったりもする(笑)。結局は文学やエンターテイメントとして楽しめる距離感にいるからこそ、受け入れられるのだろう。
『冬の花火〜私の太宰治』で太宰治を演じたのは、石坂浩二さん。若かりし頃の彼はいささか神経質そうに見えたせいか、太宰を演じるにはぴったりに思えた。奥さんを演じたのは大谷直子さん。彼女は苦労人を演じると光る。檀ふみさんは確か、太宰治の娘役のようなことをやっていたと思う。物語の筋書きの間に登場してに太宰を振り返り、ナレーションを行なう。そんな役割を担っていた気がする。彼女自身も実の父が作家であったため、その役割がぴったりに思えた。
これからは『兼高かおる世界の旅』も観れるし、『ありがとう』や『赤いシリーズ』も観れる(笑)。やはり70年代は素晴らしい!
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70年代というと、山口百恵さんの存在が欠かせない。先日、ダウンタウンの松本さんが三浦祐太朗さんを前にして「僕は君より、君の母親のことが好きだから」と山口百恵さんの大ファンであったことを公言していた。赤いシリーズを全部観ていたことはもちろん、当時百恵さんが主演していた映画も観ていたらしい。1日3回上演されると3回とも観ていたようだ(笑)。
■今の日本を占うかのような野坂昭如さんの発言。鋭い。
ダウンタウンの二人は私よりちょっと年長である。70年代に思春期を迎えていたせいか、どっぷり70年代に浸かっていたようで、その様子は彼らの発言から見て取れていた。日本屈指の美しい男として、最近あまり観ることのない加藤剛さんを挙げるところもそれと取れる。番組を観にきていた若い世代には「???」という感じかもしれないが、私には非常に納得できた。
ダウンタウンの二人には、70年代をフィーチャーした番組をもっていただきたいと思ったりもする。どんな発言が出てくるか、が非常に楽しみでならないからだ。実現しないかな。