今や子どもに聴かせる機会はない。 |
僚友の踏ん切りに、金本さんも辛いことだろう。このニュースには、私もことばを失ってしまった。
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昨日は、私が歴史好きであったことを書いた。歴史といえば、うちのすぐ下の弟を思い浮かべてしまう。彼は学生時代ヤンキーで(笑)、いつも悪いことばかりしていたのだ。学校に何かを見出せなかった彼は、ついに高校を中退してしまう。今じゃ珍しい中卒の男なのである。それで彼は17歳の頃から一人暮らしをはじめ、アパレルの販売をしはじめた。売上はなぜかすこぶるよく、19歳の時にオーナーから出資するから会社をつくれと言われたのだ。それで彼は19歳の頃、会社を設立。そのつくり方を10代の時に、独学で学んだ。その当時読んでいたのが、なんと歴史小説なのだという。最近になってそれをうちの弟のブログで読んだのだが、彼が熱心に読書をしていたというのを知って驚いた。意外とあいつ本を読んでいたんだなあ、と。彼は沖縄のある島が大好きで、夏になると一カ月間滞在する。ブログはもっぱらその島の話ばかりなのだが…(笑)。
姉は短大中退で、弟は高校中退。うちの両親は、ずいぶんこころを痛めたに違いない。一番下の弟はそんな姉兄を見たせいか、しっかり大学を卒業。私たちも救われた(笑)。ちなみに一番下の弟は、今は亡き父の仕事を継いでいる。
そんな私だから、学歴を気にしたことがない。むしろ学歴がなくても、実社会で強く生き抜ける人間のほうがいい。私が田中角栄さんが好きなのも、彼が機転のきく頭のよさをもっているからだ。
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昨日の朝出かける前に、たまたまファミリー劇場をつけていたら『母をたずねて三千里』 をやっているのに気がつく。それで、久々に一話を全部観てしまった。小さい頃からこのアニメは好きだったが、今観ても素晴らしい作品だと思う。しかもオープニング曲もエンディング曲もたいへん優れた楽曲だ。こんな豊かな曲を幼少の時から聴いていたんだなあ…と思わず子どもの頃を振り返ってしまった。(ワールドミュージックが好きなのも、こういった楽曲の恩恵か?それに加えて本好きなのも『世界名作劇場』の恩恵かもしれない)
まずはオープニング曲。イントロからギターの素晴らしい旋律と、アナログシンセの美しいパッド。ケーナやチャランゴを入れて、アンデス風にアレンジを加えるところも素敵。実にていねいにつくられている名曲だと思った。
一方、エンディング曲はオープニング曲と対照的で、非常に明るい曲調のワルツ。チューバを使った音楽なんて、今や子どもに聴かせる機会はほとんどないだろう。大切な幼少期の間にさまざまな世界に触れることのないまま、大人になってしまう。この責任はあまりにも大きいな、と楽曲を聴きながら痛感してしまったのである。
この楽曲をつくられたのは、坂田晃一さん。素晴らしい音楽家だ。彼はNHKのドラマの〈おしん〉のテーマ曲や西田敏行さんの〈もしもピアノが弾けたなら〉などをつくっている。個人的には『母をたずねて三千里』のこの2曲が好きだ。
坂田さんは、もの静かで非常に思慮深い方らしい。こういう方にこそ、音楽のお話をきいてみたいものだ。