晴天の霹靂なんて哀しい。 |
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知人に「急に350万円入ったらどうする?」とたずねられた。ずいぶん中途半端な額。何ができるんだろう…と考えていると「貯金なんて言わないでね」と返してきた。私は車の運転ができないから車はいらないし、家もその金額では無理だ。
仕方ないので「会社でもつくりますか」と返すと、「キャリアらしい答え」と言われる。
…キャリア?生まれて初めて言われたことばだ。私の姿を見ても、考え方を聞いてみても誰一人とさえ〈キャリア〉だと言わない。何だか妙に新鮮だった。私、キャリアなんだ。
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ほぼ一世代上の先輩に電話をする。つかぬことを聞きたくなったからだ。あまりにもつかぬことだったので、聞き返された。たずねたのは〈恋愛〉のこと。
「…ないでしょう。この年齢になると。いや、ないって言ったほうが無難なのかな(笑)。でも晴天の霹靂ってことがあるからね」
という回答だった。そんなものか…。彼は既婚者だから、確かにあっては大変かもしれないけれど。とてもモテそうな先輩なのであってもおかしくないと思ったし、“気持ちの上ならあるよ”くらいはおっしゃってくれるかと思った。
10年後、20年後には恋愛はなくなるのか?それではあまりにも淋しい。晴天の霹靂なんて哀しい。
うちのいとこは、ちょうど一世代上の未婚女性。身内の私がいうのもなんだが、とてもかわいらしく、人柄もよい。一人っ子の彼女は最近母を亡くし、父だけになった。そのせいか最近「結婚したいな」と漏らすことも多くなった。私も彼女には結婚してほしいと思っている。だから恋愛はなくなる…とは思いたくない。
かく言う私も結婚歴はなく未婚だが、もしそういう機会があれば結婚したいと思っている。年齢は関係ないけれど父が私のふたまわり上だったせいか、その近辺だと父親のように見てしまうかもしれない。しかし私の一世代上くらいだったら、じゅうぶん恋愛対象として考えられる。素敵な人、結構いますし。
…まあ、こういう話も相手あっての話だからなあ。