大野雄二さんの音楽をつくる姿勢。 |
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先日、大野雄二さんのことを書いたら、彼のことをもっと知りたくなった。それで彼の名前で検索をかけてみる。すると彼のインタビューがいくつか見つかった。たとえば、ここ。彼曰く「楽器をやるには基礎がしっかりしていなきゃ、ダメ」と。同感。絵を描いても、文章を書いても、料理をしても…どの世界もいっしょなのだな、と思う。どんな表現であっても、基礎はそのところどころで見えてくる。目利きであれば、一瞬にして見破るものだ。建築における基礎といっしょで、しっかりしていないと崩れるのも早いのだろう。
「ライブはバランスが大事」というのもわかるような気がする。私は音楽家ではないので〈ライブ〉はやらないが、〈プレゼン〉は年中やっている。相手がいてパフォーマンスするという意味では、プレゼンもライブと同じだ。どのような展開ではじめ、どのように振る舞うかで、観ている人の反応はまるっきり違ってくる。観客に媚びては駄目というところも、そっくりそのままクライアントに置き換えたいくらいだ。営業を仕事にしている人は、まずいいライブを見ろ!と私は言いたい(笑)。
「メインテーマのメロディは、覚えやすく」ということばもよくわかる。親しみがあって、鼻歌で歌われてこそ、映画が引き立つというわけだ。いわばこれはキャッチコピーといっしょ。的確でありながら、覚えやすいことが条件。キャッチコピーに限らずこの条件は、世の中では多く望まれていることだと思う。
「大事なのは自分の実力」これも深く共感する。ものづくりをすることは、矛先を自分に向けていく作業だから。明日の自分は、昨日の自分より進歩していたいと、私も彼同様常に願っている。なぜなら進歩するのはやはり楽しいし、明日への希望になるからだ。手を抜くとその場はラクだが、チャンスをひとつ失ったことになる。最善を尽くして自分なりの手法を編み出すほうが、早く伸びていける。だから与えられたチャンスは常に大事にしたいと思う。
音楽は、本当にいろんなことを教えてくれる。だから私は音楽から、離れられないんだろうな。