渡辺真知子〈ブルー〉。 |
45RPMは、ジーンズか白シャツしか買ったことがない。だけど、その二つはわりによくつくられていると思う。かつてうちの近所の二子玉川店(高島屋内)に行っていたが、担当の店員さんが池袋に転勤になってしまった。とても感じのいい女の子で、ジーンズに対する知識も深い。案の定、彼女はジーンズの知識の深さを買われて、池袋へ転勤になったのだという(明治通りの店員さん談)。
それにしても春は、やっぱり白シャツである。私は男性の白シャツ姿に弱い。シンプルで最高に粋だ。ウェイターさんが、たいがい白シャツなのも納得がいく。
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youtubeで渡辺真知子の音楽を聴く。リアルタイムで聴いていたときも、彼女はすごいと思っていたが、改めて聴いてやっぱりすごいと思った。彼女はもっと評価されていい人だと思うのだが、なぜか正当な評価を受けていない気がする。彼女は声量もさることながら、音域も広い。しかもメロディメイカーとしての才能も豊かだ。ヒット曲はどれも白眉の出来。しかし彼女の名前は平成の今、ほとんど聴くことがない。
※私と似たようなことを感じている人がいるらしい。こちらをどうぞ。
〈ブルー〉という曲は、アレンジもいいが、それより圧倒的に彼女が書いたメロディがおもしろい。最近はメロディのおもしろい曲が少ないので、耳に残る。この曲は音域が広くないと歌いこなせないが、彼女はその良さを活かしてこの曲をつくったのであろう。
音域が広いと当然、人より豊かなメロディを歌いこなすことができる。これだけで歌手生命がかなり違ってくるわけだ。彼女は自分の音域をもって、メロディを書き上げることに成功した。だけどなぜか評価が低い。70年代の後半は彼女に限らず名曲が多いのだが、取りだたされることが少ない。
私もこちらのようにカバーすればいいと思わなくもないが、基本的にはカバーというものがあまり好きではない。それに大手レコード会社のディレクターも今はたいした人間がいないので、見抜けるような裁量を持っていないのであろう(日本の音楽業界は暗い…)。だいたいレコード会社や芸能事務所には、youtubeに目くじらを立てているような人間もいたけれど正直頭が悪いな、と思う。youtubeなんて、最高のプロモーションビデオではないか。手間もかからず、お金もかけなくて、所属アーティストのプロモーションができる。私自身もyoutubeを観て、レコード店にCDを買いに走ったくらいだ。むしろyoutubeと協同で何かを行うべきである(ワーナーミュージック礼参ではないが)
話は横道にそれたが音楽が若者のものだけではなく、万人に愛されるものになってほしい。でも、ここまで来てしまったから、日本人の音楽離れはいっそう芳しくなるのではないだろうか。日本のエンターテイメントは、悲しいかな下降線を描いている。