『悪魔のようなあいつ』 |
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そんな私のもとに、ずっと観たかった70年代のテレビドラマ『悪魔のようなあいつ』が届く。この作品は私よりも上の世代なら、知っている人も多いのではないかと思う。この作品はリアルタイムでは観ていない。たとえ観たところで内容はわからなかっただろうし、今観ていてもスキャンダラスな部分が多いので、親は当然観せなかっただろうと思う。当時時効が秒読みだった3億円事件をテーマに、不治の病やホモセクシャル、売春などの話で埋め尽くされているからだ。
プロデューサー/演出は、久世光彦氏。だからTBSのゴールデンタイムにも関わらず、アンダーグラウンドな雰囲気が漂う。セットやファッションにも彼の美学が踏襲されていて、今観ても非常にかっこいい!(これを観たあとで彼にインタビューをすればよかった…。亡くなった今では、もう遅いけれど)
主演は沢田研二。久世さんがナベプロ(当時)に拝み倒して、彼主演でドラマを創りたいと言ったというが、それは納得できる。当時としては抜群のスター性を持ち、輝いていたからだろう。キャスティングはほかにも藤竜也、若山富三郎、(自殺前の)篠ヒロコ、悠木千帆などなど、個性豊かなメンバーだ。沢田研二主役なので、当然音楽は井上尭之・大野克夫である。名曲〈時の過ぎゆくままに〉も挿入歌として使われている。
くわしくはこちらに解説があるが、内容がちょっと甘くて情報不足。若い世代が書いたものだということがよくわかる。なので久世さんが危険因子をもった(誉めことば)名プロデューサーであるかはwikipediaで『悪魔のようなあいつ』を、まずは検索してみてください。
それにしても70年代は、ドラマといえばTBSだった。それに継ぐのが日テレで、今のようにフジの影は全くなかった。フジといえば『ポンキッキ』ぐらいじゃないか(笑)?TBSの隆盛もやはり久世さんがいたからだろうと思う。とにかく彼が創った作品は、文化的かつ、センセーショナルで非常におもしろかった。
俳優・女優のキャスティングやファッションが素敵。グリーンの車もいい。
良(沢田研二)の部屋。今観てもかっこいい!小道具にこだわる久世さんらしい。
このバイクに釘づけ。乗りたい!!
気障なスタイルが似合うのが、沢田研二だった。