とある老夫婦。 |
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先日、ある老夫婦がテレビに出ていた。奥さんは病気を患い、ペースメイカーを身体に埋め込まなくてはならなくなったのだという。ところが一度ペースメイカーを植え込むと、数年ごとにペースメイカーを取り替えなくてはならないらしい。それでご主人はペースメイカーを身体に入れることを断固として反対し、自分たちで治すことを考えた。夫婦ふたりで田舎に引き込み、野菜やニワトリを育て、それらを口にすることで奥さんの自然治癒力を高めていくことにしたのだ。ご主人の温かい愛情が通じたのか奥さんの病気はすっかり治り、ペースメイカーをつけることなく、今も元気にふたりで田舎ぐらしをやっている。
…幸せな奥さんだなあ、と思う。長年連れ添った夫婦が、相手を思いやりながら晩年を過ごしている。うらやましいな、と思う。
その夫婦に、円満である秘訣を訊ねると、彼らは「話をよくすること」だと答えた。結婚して30年、40年経つとコミュニケーションは、結局対話になっていくのだろう。
私もそこそこ長く生きてきたが(笑)、しっかりと対話ができる相手というのは、思いのほか少ないと感じている。相手の気持ちを推し量るのは、とても難しいことだと思う。特に夫婦ということであれば、長い間ともに過ごす存在。私も結婚するようなことがあれば、彼らのような夫婦になれるように努めたい。