スケジュール管理。 |
男子400mハードルの決勝は、ヨーロッパ遠征から為末さんがおっしゃっていた通りの結果になった。つまり誰でもメダルを狙える状態にあったと思う。あれほど優勝するのではないかと言われていたジャクソンが4位で、サンチェスが2位。メダルを穫っていなかった、クレメントとプラウゴが初メダル。しかもクレメントは、かつて為末さんとの勝負に泣いた男。しかも48秒周辺…。なんだか皮肉な結果だがこれが競技、勝負というものなのかもしれない、と思った。
翌朝、ホテル近くの大阪のAppleショップに立ち寄る。渋谷に比べると人が少ない。いや、大阪は意外と人が少ないのだ。平日の御堂筋はなぜこんなに人が少ないのか、ちょっと驚いてしまった。おそらく東京が異常なのだろう。そのAppleショップで『Mac Power』を立ち読み。田中知之さんが〈Samrai Breakin'〉についてインタビューを受けていた。
Appleショップの向かいには、Nike大阪のショップがあったのでそこものぞく。私はadidas派なので、Nikeのショップに入るのは初めて。Nikeの商品もほとんど購入したことがない(すみません)。スポーツブランドを見ていてよく思うのだが、メンズのウェアに比べるとレディースがイマイチのような気がする。欲しい!と思うのはいつもメンズばかりなので、私は小さめのメンズものをときどき購入する。レディースがもっとかっこよくなると、もう少しスポーツブランドのショップに立ち寄る回数も増えるんだけどなあ。
Nike大阪のショップの並びには世界陸上プラザがあった。入ってみると、各選手のサインや靴が置かれていた。室伏さん…これ靴?といいたくなるくらい、彼のシューズは大きかった。世界陸上プラザには、長居競技場のトラックで使っていた素材も置いてあった。足に触れた感じは比較的柔らかく、負担が少ないように感じられる。またそこにはハードルも置いてあった。110mと400mではハードルの高さが違うらしい。知らなかった・・・ということで、世界陸上の話はおしまい。
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ひとつの仕事をいただくと、スケジュールをつくるところからはじまる。昨年の夏だったが、ある企業のHPをつくっていた。ある陸上の大会のスポンサーにもなっていた企業だ。商品ページだけで700ページくらいあったのだが、それを半年かけてつくらなくてはならなかった。これは今までもっとも大変なスケジュール管理だった。700ページあると、商品を把握するのも一苦労。しかも商品を踏まえた上で、ページ構成を考えなくてはいかないかを考えなければならない。まずはその骨組み(IA)をガッチリつくった上で、ライターやデザイナー、エンジニアとやっていくことを考える。
スケジュールはローンチする日から逆算する。サーバーのテストも充分に確保しなくてはならない。このあたりは、ほとんど調整が利かないことを前提でつくっていく。もちろん、クライアントに確認してくことも必要だ。ここもほとんど調整が利かない。このあたりはかなり苦しいものになってくる。スケジュールが圧されていくことをなんとか防ぎたいところだ。(圧されてしまうことが多いけれど…)
サーバーにあげる前の段階では、ライターとデザイナーのスケジュール管理が重要になってくる。私といっしょに仕事をするスタッフは、だいたいみな私のやり方を知っている人が多いので、今はほとんど困ることはない。ライターとデザイナーにはいつも1週間の制作期間をつくるようにしている。この1週間のあいだにあげてもらえればいいので、フリーのライターなら3日で制作したらあとはブラブラしていてもいいし、他の仕事をしていてもいい。ただこの1週間という期間は厳守してもらう。なぜ1週間なのかというと、日にちを覚えなくていいからだ。発注したのが火曜日なら、翌週の火曜日中にあげてもらえればいいということで、わかりやすい。スタッフはつくること以外に余計な頭を使わなくて済むし、私もスケジュールを確認しなくて済む。たとえばライターが火曜日の周期、デザイナーが木曜日の周期で動くと決めれば、自動的に動くようになる。ここが簡素化されることによって、エネルギーをほかに注力できるのだ。私はここに品質管理の最善を尽くすようにしている。
デザイナーやライターから上がってきたものの修正は3日。これはクライアントに提出する前の段階だが、これも厳守してもらう。フリーのライターやデザイナーはスケジュールを守りつつも、精度の高いものを出してもらえるスタッフなので、ここも揺らぐことは少ない。ただここに至るまでは、たいへんだったけれど。
難しいのはクライアントに提出したあとの修正をしつつ、残りの案件をデザイナーやライターにさばいてもらうことだ。このあたりになると、私を含めすべてのスタッフが本当に苦しくなる。ここの手腕が一番問われるところなのだが、正直いっていつも厳しい。しかもトラブルもこういったところで起こりやすくなってしまう。さらに制作物の精度も落ちがちだ。ここをなんとか食い止めるのがディレクターの役割といってもいいだろう。この後にサーバーにあげて、テストを行う。そして前述のローンチに向かうわけだ。
スケジュール管理はとても難しい。これがうまくいかなくなると、精度も低くクライアントの期日も守れないものになってしまう。時間がないからこうなりました、とクライアントにはいえない。ただきっちりスケジュールを守れていると、安心していられるし、精度のいいものに仕上がることが多い。まあスケジュールに厳密なのは、私が臆病で欲深いからなのかもしれないけれど(笑)。