世界陸上、最終日。 |
200m決勝の映像を再び観る。タイソン・ゲイとウサイン・ボルトの戦い。ゲイよりも10cmも大柄で先行を走るウサイン・ボルトに対して、なぜゲイが抜いてしまうのか。足のペースもストライドも二人ともほとんど同じ。ただひとつ違うのは、腕の推進力のような気がした。ウサイン・ボルトはタイソン・ゲイに比べると格段に落ちていたように見えた。弱い。ゲイは力強くぐいぐい引き寄せているせいか、前へ前へ進むことができているような気がする。短時間で勝負をかけるには腕の推進力が勝負を分けてしまうのかもしれない。
#
女子のマラソンで土佐礼子さんが銅メダル。7月末だったか、彼女が私と同じように松葉杖で歩いていたときには本当に驚いた。正直、世界陸上に間に合うのか?などと思っていたが、しっかり間に合わせてきた。しかもメダルまで獲得。本当にびっくりしてしまった。
マイルリレーでは、大好きなアリソン・フェリックスがまさかの登場。彼女はR&Bのシンガーのようだ。走法がとてもキレイで、思わず引き込まれる。魅力のあるアスリートだ。あの織田裕二さんも大好きらしい(笑)。予想通りアメリカが優勝する。一方、男子のマイルリレーではジェレミー・ウォリナーが登場。彼のサングラス姿は、昔のポール・ウエラーのよう。他を寄せつけない圧倒的な速さで、こちらも優勝に輝く。
今回の世界陸上で、ほとんどの金メダルを獲得した〈アメリカ〉という国。いつも思うのだが、とても不思議な国だ。純粋なアメリカ人は存在せず、参加することでアメリカ人となる。強いアメリカに憧れ、参加することでアメリカ人になり、参加できたことで喜びを得、アメリカ人であることに誇りをもつ。〈アメリカ〉という名のひとつのブランド。
最後に陸上のおもしろさを教えてくれた為末大さんに、こころから感謝を申し上げたい。ありがとうございました。