ステロイドについて。 |
薬の恐いところは、飲み過ぎると自制できなくなってしまうことである。私は何よりコントロールができなくなることが一番怖い。精神的にも身体的にも自分が手綱を持っていなければ、自立などできない。仮に私がガンになってしまったら、抗がん剤は使わないようにお願いしたいと思う。自分の生命は、自分で管理すべきだ。今後の医療はいっそう、そういった傾向になってくると思う。
#
私は肌がとても弱い。シワやシミに無縁であるところは両親に非常に感謝しているけれど、直射日光に弱く、汗にも負けてしまう肌質だから、苦労することも多い。そんな肌の弱い私は、子どもの頃から10数年間ステロイドの世話になってきた。しかしステロイドは麻薬のように習慣性があって、これを塗らなければ耐えられなくなってくる。しかも周知の通り、ステロイドは副作用もたくさんあるといわれている。場合によっては緑内障や白内障になってしまうことも多い。
そんな私がステロイドから離れるために、行ってきたのが鍼治療だった。私は鍼治療を行うことによって、ステロイド離れに成功したのだが、10数年つけていたせいかステロイドについて考えることも多い。今じゃステロイドの商品名で、その効能などもわかるようになってきた。
ステロイドは炎症疾患に効くとされている。だから耳鼻科や皮膚科に行くと、いただくのがステロイド剤であることが多い。つまり咳が出たり、湿疹に悩まされたり、やけどをすると、病院でいただくのはたいがいステロイドである。これがイヤで一時は病院嫌いになってしまったこともあったのだが、今は鍼治療で予防することによってこれらの疾患を防いできた。ただ低温やけどをしたときに、お医者様にいただいたのがステロイド。「先生、すみません。私はステロイドがダメなので…」と話し、ステロイドではない薬をいただいたことがある。案の定、効果はあまり得られなかった。けれど私自身は納得している。
耳鼻科と皮膚科の薬が同じであるということは、対処の方法が同じということである。だから鼻・喉・胃などの粘膜系に疾患があると、皮膚にも影響するということだと思う。これは器官の関係性で診るといった東洋医学的な考え方であるが、鼻・喉・胃の調子がいいと肌の調子もよくなることが多い。健康というのは、身体のつきあいかたを知ることだとつくづく思う。
またステロイドは、筋肉増強剤としても知られている。為末さんのようなアスリートは当然、つけることはできない。だから病気からやけどにいたるまで、病院にかかることはできないから、アスリートの身体の管理は非常にたいへんだと思う。為末さんのHPを見ると、このように細かく報告をする義務もある様子。彼らには本当に頭が下がる思いだ。