オール讀物 2007年10月号 |
為末さんは大きな大会の前には、炭水化物を抜くと書いてあった。いったいどのような効果があるのだろう。
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『オール讀物』に柴門ふみさんが、結婚力について書いてあった。彼女の作品は全く読んだことがないが、漫画家だけあって男女のことを熟知しているな、と感じた。ここでは書ききれないほど(笑)女性のこころと男性のこころをしっかり掴んでいる。関心のある方は、読んでみるといいと思う。ただ夫への八つ当たりはホルモンのせい、というのは女性の私でもいただけない。
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総力特集の向田邦子さんは素敵な女性だと思う。この本には書いていなかったが、彼女はお漬けものを食べるときにポリポリいわせたりするところや、ズルイ人がどうしても許せないところなどがあるらしい。私は彼女のそういった小賢しさのないところが、非常に好きだ。
この本によると、彼女は“ダメなところが魅力的に映る人”が好きらしい。驚いた…この点は私と同じだ。欠点に対して愛おしいと感じられるのは、その人に愛情を感じていることに他ならない。相手を好きなんだな、と自覚するのは私の場合、そういったことからだ。
向田さんはあっけらかんとしているようだが、自分の恋愛のことをほとんど語ろうとしなかった。哀しい想いもたくさんしたはずなのだが、口にしない。そういったところも彼女らしくて、素敵だと思う。阿久悠さんもそうだが70代以上の方々は、自分の弱い部分を一切人に見せず、自分で処理しようとする。彼らが受けた教育がそうするのか、何なのかわからないが、ひとつの美学に違いない。現代人に失われた美学だが、その透徹した姿勢が私のこころを深く打つ。
今の日本人男性は、きっと向田さんのような女性を素敵だと思わないのかもしれない。女性が素敵だと思う女性と、男性が素敵だと思う女性は、また違うからなあ…。私には向田邦子さんが、とびきり艶っぽく映るのだけれど。