大都会は、一人暮らしの女に似合う。 |
22:00に仕事が終わる、というのがひとつの夢のように思えている。そういう生活を10年以上やっていない。昨年交通事故に遭ってから、ひとつ病気が見つかったが、きっと長年の疲労蓄積がそこに出てしまったのだろう。システムエンジニアや編集者は、健康診断を受けると必ずひとつやふたつの病を持っているものだが、私もその一員になんだなあと思った。
病気が悪化しないようにするためには、生活習慣を変えるしかないようだ。まず、
(1)適度な運動をすること。
(2)甘い物や脂っこいものを控えること。
(3)25:00には寝ること。
(2)は、そういった食品を選ばなければいいので、できなくはない。問題は(1)と(3)だ。特に(3)はまるで仕事をするな、と言われているようだ(苦笑)。ひとりでできる仕事なら工面できるけれども、こればかりは非常に難しい。できることと言えば、夜遊びはしないようにこころがけることぐらいか。
私に限らず、制作の仕事というのはだいたいこんなものだと思う。24:00からミーティングなんて、珍しくもなんともないことだし…。私と同じステージに上げるつもりはないが、阿久さんや久世さんも70歳くらいで亡くなった。平均寿命が80歳を越えているという時代に。生活習慣というのは生命をも脅かすものだということを、改めて考えさせられてしまった。
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阿久悠さんが著書『書き下ろし歌謡曲』(岩波新書)のなかで、このように書いていた。部屋の灯りを自分で点す、女性たちに贈りたい。
大都会は、一人暮らしの女に似合う。
高層のホテルも、ブティックも、カフェも、
一人暮らしの女のためにあるように思える。
彼女たちは颯爽としている。
大胆でもある。
不良でもある。
群衆の中で輝く。
しかし、群衆が無縁の人と思えた時、翳る。
その瞬間を見落としてしまったら、現代では歌が作れない。
ブルースは暗く重いものだが、彼女たちのために、ライトなブルースを考えた。