21:00に帰宅すれば、確実に日本は変わる。 |
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先日、ここに書いたAさんと食事をしながらお話をさせていただく機会をいただいた。お会いするのは本当に久しぶりだ。彼は相変わらず、見据えているところが非常に高い。私はどこかで彼を尊敬しているところがあるのだろう。だからこそ仕事をいっしょにしたいと思ったし、仕事をしていておもしろいと感じるんだと思う。
Aさんにapple時代のことを訊いてみた。appleで学んだ最大のことは?と。すると「不可能なことは、何もない」と答えてくださった。ナポレオンのことばのようだが、まさにそうだったという。確かにappleの製品は世の中にないものばかりをリリースしてきたし、その都度人々を驚かせてきた。世の中にないものを思いついたら、チャンスと思え!とパイオニア精神にあふれた人ばかりだったのだという。素晴らしい環境だ。さらに私は、macの製品はマニュアル車のように、初心者でもわかりやすくできてある。あれはどうしてなのですか?と訊ねてみた。すると「appleでは、人間は学ぶ生物だと考えているからだ」とおっしゃった。彼はi-podを例にとり、動かしながら使い方を学んでいく素振りをする。私もそうやってi-podの使い方を覚えたなあ。
人間は学ぶことが好きな生物だ。不思議なもので年齢を重ねれば重ねるほど、〈学ぶ〉ことが娯楽になっていく。しかもなんとなく習得できると、なお楽しい。苦痛を感じず学べたら、これほど楽しいことはないだろう。人間の本質につながる製品づくりをしているからこそ、appleの製品は愛されているに違いない。
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東京では21:00にサラリーマンが帰宅することはない。前にも書いたが、ナイターを観ながらビールを飲むということがなくなったのである。だからナイターの視聴率が低いんだと思う。
ただサラリーマンが21:00に家にいたら、確実に日本は変わる気がする。まずは深夜の満員電車に乗らなくてすむ。仕事から早く解放されるから、精神的にもラクになるだろう。しかも家で食事ができるから、健康も維持できる。子どもも起きているだろうから、そこでコミュニケーションも生まれるに違いない。もちろん奥さんとも会話ができるだろうし、SEXする時間も体力も持つことができるだろう。そうなれば、少子化を食い止めることができるかもしれない。子どもが多くなれば、確実に日本の経済力は上がってくる。
まずは男も女も、仕事を早く切り上げてはどうだろう。これはとても難しいことだが、日本を変える突破口になるのではないかと思えてならない。