『パリの哀愁』@横浜ジャック&ベティ |
カフェオレを頼むと、ごていねいにカフェオレボウルで出てきた。本を読んだりするときには、カフェオレボウルじゃ飲みにくい。お洒落を演出しているのかもしれないが、とかく落ち着かなかった。あれは客を長居させないための戦略か?
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今日は沢田研二主演の『パリの哀愁』(76年)を観た。この時代の沢田研二さんはリアルタイムで観ているという記憶があるのだが、さすがに映画は観ていない。今回の彼の映画特集では、この一本を楽しみにしていた。
当時の彼はフランスでアルバムをリリースしていたこともあり、フランスでの知名度も非常に高かったらしい。パリで撮影していても、「ジュリー!」とフランス人から声がかかっていたのだという。確かにこの頃の彼は非常に美しく、フランス人に引けをとらない。絵になる男だった。しかも前日観た『ザ・タイガース』に比べると、はるかに演技力がついている。『ザ・タイガース』は正直、びっくりしたな。メンバーのものすごい棒読みに(笑)。
主人公の二郎(沢田研二)が、憧れの女性マリーとのデートにこぎつけるシーンあたりは、萩原健一主演の『雨のアムステルダム』(75年)を彷彿させた。当時のヨーロッパの町並みや、フィルム撮影が影響しているのかもしれないが、この味わい深い世界観にうっとり。当時のヨーロッパを撮った日本映画はまだまだあるはずだろうから、引き続き追い求めていきたいと思う。
ホテルの上階から海に落ちるマリーが生存していたり、マリーがいきなり二郎の家を探し当ててくるところなど、ストーリーにはツッコミどころが多い。しかしそんなことより、映像としてトータルで美しいのがいい。来週はまた『炎の肖像』(74年)を観に行くつもり。何回観るんだ(笑)?