2009年 05月 26日
〈育てる〉というスタイルのプロモーション。 |
今朝は早く目が覚めてしまった。なんと5:00(!)。眠れないのでテレビをつける。日本映画チャンネルでATGアーカイブの『変奏曲』(76年)をやっていたので観る。映画の内容がおもしろいので、ますます眠れなくなってしまい、結局最後まで観た。ストーリーがいかにも70年代っぽく、政治絡んでいる。その一方で、映像や音楽がどこか洒落ている。さすが中平康監督だと思った。
かつて恋人だった二人が、巴里で出会うというストーリーである。女は既婚者で金持ちのダンナと暮らしている。男は政治的な運動を行っている思想家で、独身。その二人が、なぜか過ぎ去った10数年前のような日々を送ることになるのである。
この映画の原作は五木寛之さんである。かねてから五木寛之さんは「頭のイイ男はダメだ。子どもの頃、勉強ばかりしているせいでセックスがヘタ」などと書いていたが、それを作品としてリリースしたのが本作ではないか?と思ってしまった(笑)。簡単にいうと、不能に陥った男をなんとかしようと女が試みている話なのである。頭のイイ男がセックスがヘタかどうかは何とも言えない。ただ、五木寛之さんはインテリに対して、コンプレックスを持っているのかもしれないな、とは思う(笑)。
この作品は中平康監督の遺作でもある。人間の目に最も好ましいとされる画面・ゴールデン・セクション・サイズを、世界で初めて導入した作品としても知られている。
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昨日はある大手レコード会社へ行った。あるディレクターさんにプレゼンテーションを行う機会を得たのである。
話をしているうちに、そのディレクターさんがヒット曲をいくつも出してきたことを知る。しかし最近のJ−POPと真逆ともいえる実に地道なプロモーションで、時間をゆっくりかけてじっくりじっくり育てていく、というスタイルなのである。
イイと思った曲やアーティストをラジオを使って流しては、反響をつぶさにとる。ブログの感想を毎日のように集めながら、口コミで広がっていくのを待つ。そこには恣意的なものはない。そのせいか私のビジネスめいた提案にも、乗ろうとはしなかった。むしろそこに、こころを打たれてしまった。
彼のようなディレクターさんに巡り逢えたアーティストは幸せである。彼はこの環境が得られるのは、社風と5人のスタッフでやっているからだ、とおっしゃっていたが、本来音楽はそうしたもののほうが幸せな結末を迎えられることが多いに違いない。私の好きな70年代の歌謡曲も、家内制で行ってきたものがほとんどである。決して代理店やマーケティングが介在してはいなかった。
日本の音楽はダメだ…と思っていたが、彼のようなディレクターがいることを知り、少しばかりうれしくなった。彼のようなディレクターが一人でも増えていくことを、こころから願っている。
かつて恋人だった二人が、巴里で出会うというストーリーである。女は既婚者で金持ちのダンナと暮らしている。男は政治的な運動を行っている思想家で、独身。その二人が、なぜか過ぎ去った10数年前のような日々を送ることになるのである。
この映画の原作は五木寛之さんである。かねてから五木寛之さんは「頭のイイ男はダメだ。子どもの頃、勉強ばかりしているせいでセックスがヘタ」などと書いていたが、それを作品としてリリースしたのが本作ではないか?と思ってしまった(笑)。簡単にいうと、不能に陥った男をなんとかしようと女が試みている話なのである。頭のイイ男がセックスがヘタかどうかは何とも言えない。ただ、五木寛之さんはインテリに対して、コンプレックスを持っているのかもしれないな、とは思う(笑)。
この作品は中平康監督の遺作でもある。人間の目に最も好ましいとされる画面・ゴールデン・セクション・サイズを、世界で初めて導入した作品としても知られている。
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昨日はある大手レコード会社へ行った。あるディレクターさんにプレゼンテーションを行う機会を得たのである。
話をしているうちに、そのディレクターさんがヒット曲をいくつも出してきたことを知る。しかし最近のJ−POPと真逆ともいえる実に地道なプロモーションで、時間をゆっくりかけてじっくりじっくり育てていく、というスタイルなのである。
イイと思った曲やアーティストをラジオを使って流しては、反響をつぶさにとる。ブログの感想を毎日のように集めながら、口コミで広がっていくのを待つ。そこには恣意的なものはない。そのせいか私のビジネスめいた提案にも、乗ろうとはしなかった。むしろそこに、こころを打たれてしまった。
彼のようなディレクターさんに巡り逢えたアーティストは幸せである。彼はこの環境が得られるのは、社風と5人のスタッフでやっているからだ、とおっしゃっていたが、本来音楽はそうしたもののほうが幸せな結末を迎えられることが多いに違いない。私の好きな70年代の歌謡曲も、家内制で行ってきたものがほとんどである。決して代理店やマーケティングが介在してはいなかった。
日本の音楽はダメだ…と思っていたが、彼のようなディレクターがいることを知り、少しばかりうれしくなった。彼のようなディレクターが一人でも増えていくことを、こころから願っている。
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by k330910
| 2009-05-26 22:25
| 音楽