日本映画専門チャンネル 『二十歳の原点』。 |
私が幼児だった頃、つくられたこの映画。当時は、学園紛争やストが蔓延したいたようだ。ウェイトレスで働く大学生の女の子がアルバイト先にいる中年の主任に恋をする、という実によくある話と、この頃頻繁に行なっていたであろう学園紛争やストが絡み合っている。また小道具である自転車やファブリックが、今じゃアンティークになっているせいか、妙におしゃれ。時代の隔たりを感じさせない。さらにこの時代の映画らしく、やたらと照明が暗い。まあ、そこが好きなんだけど(笑)。エンディングの鉄道自殺のシーンも、電車のライトと彼女の顔だけを象徴的に撮っている。うまいなあ。
『二十歳の原点』の原作は、高野悦子さん。この映画にも、こちらの映像のような紛争のシーンが多い。
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石原裕次郎さん二十三回忌で、ファミリー劇場では『太陽にほえろ! ボス特集』をやっている。子どもの頃観ていたときには、ドラマにどっぷり浸かっていたせいで、ボスの命令は絶対的なんだと思っていた。しかも部下をいつも静かに見守っているというイメージがあった。
ところがショーケンの本によると石原裕次郎さんには待ち時間などなく、自分の出番の数分だけ撮りにきてさっさと帰っていたそうだ(笑)。今思うと当時の大スターは、そんなものだろうと思う。だが、石原裕次郎さんがいると画面が締まる。彼がいると妙に落ち着くし、彼なしの七曲署など考えられない。あれがスターの存在感なのだろう。
私は石原裕次郎さんの曲が好きで、カラオケで歌ったりもする(笑)。たいがいは私が生まれる前の曲なのだが、父が彼のファンだったこともあって、知っている曲も多い。
メロディもアレンジも素晴らしいと思う。こういう類の音楽が、今は絶滅しているのが残念でたまらない。