2009年 10月 03日
思惑を裏切るのが、音楽のおもしろさ。 |
ミュージックマガジンに原田尊志先輩の書いた記事が載っている。今日の音楽について述べるような内容だ。前半はエルスールでの日常を書いてあったが、読んでいてとても笑えた。商品を見ながらくすっと笑って帰る、冷やかしの若いカップルに「塩を撒きたいが、その塩がもったいないから撒かない」と書いている(笑)。いかにも尊さんが言いそうなことだ。また試聴をして「求めている音ではない」と言うのなら、“だったらそれを君がつくりなさい”と尊さんは思うらしい。確かに言い得て妙である。
もともとワールドミュージックは、こちらの思惑を裏切ってくれるからおもしろいのだ。いい意味でも悪い意味でも、求めている音楽だった…ということはほとんどない。いい意味であった場合も“そうきたか!”と思うことが多い。そこが魅力なのである。
確かにJ-POPを聴いていると、パターン化したものが多い。歌い方も曲調も、使ってる機材や録音方法にいたるまで、違いを見つけることのほうが難しい(笑)。私はJ-POPへの裏切りを首を長くして待っているのだが、何らかの政治力が働くのか、金太郎飴のような商品ばかりが並ぶ。しかも金太郎飴しか味わっていない世代はそれがフォーマットだと感じるのか、若手の歌い手も金太郎飴になろうと努める。だから金太郎飴を増産していくしか、術がない。実に気持ちの悪い連鎖である。
私は音楽の制作サイドに、もっと年長者を入れたほうがいいのではないかと思っている。50〜60代くらいは音楽に傾倒してきた世代だから、音楽の旨味を実によく知っているものだ。かつて音楽業界にいたその世代の方々は、半隠居状態なのではないか?そういった方々を駆り出して、ご意見を聞いたり監修したり、制作として迎え入れることも必要だと思う。そのくらい日本の音楽は危機的状況だと感じている。
日本の音楽を活性化させるには、やはり歌謡曲が必要なのではないかと思う。アジアはやはり〈歌謡〉の文化なのである。メリスマ(コブシ)は世界共通のアイコンだし、それを聞くことや歌うことで家族や友人に笑顔が浮かぶ。現に地上波で人気なのも、歌謡曲の番組である。音楽業界が衰退してきているのも、平成になってから歌謡曲を捨ててきたことに、誤算があったのではないか。
阿久悠さんは、北原ミレイさんの〈ざんげの値打ちもない〉という曲に、ファドの風味を託したのだという。しかし作曲家がイメージしたのは、三畳一間の部屋に裸電球。これが歌謡曲のふところの大きさである。
■ファドと三畳一間の部屋。〈ざんげの値打ちもない〉の制作秘話。
■上村一夫さんの劇画を集めている。一青窈さんのコレクションには負けますが(笑)。
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余談だが、musicmanに日本レコード協会会長である石原敬一さんのインタビューも載っていた。このコラムの最後のページには、彼が歌謡曲についてどのように考えているかが読める。こちらもぜひご覧になってください。
もともとワールドミュージックは、こちらの思惑を裏切ってくれるからおもしろいのだ。いい意味でも悪い意味でも、求めている音楽だった…ということはほとんどない。いい意味であった場合も“そうきたか!”と思うことが多い。そこが魅力なのである。
確かにJ-POPを聴いていると、パターン化したものが多い。歌い方も曲調も、使ってる機材や録音方法にいたるまで、違いを見つけることのほうが難しい(笑)。私はJ-POPへの裏切りを首を長くして待っているのだが、何らかの政治力が働くのか、金太郎飴のような商品ばかりが並ぶ。しかも金太郎飴しか味わっていない世代はそれがフォーマットだと感じるのか、若手の歌い手も金太郎飴になろうと努める。だから金太郎飴を増産していくしか、術がない。実に気持ちの悪い連鎖である。
私は音楽の制作サイドに、もっと年長者を入れたほうがいいのではないかと思っている。50〜60代くらいは音楽に傾倒してきた世代だから、音楽の旨味を実によく知っているものだ。かつて音楽業界にいたその世代の方々は、半隠居状態なのではないか?そういった方々を駆り出して、ご意見を聞いたり監修したり、制作として迎え入れることも必要だと思う。そのくらい日本の音楽は危機的状況だと感じている。
日本の音楽を活性化させるには、やはり歌謡曲が必要なのではないかと思う。アジアはやはり〈歌謡〉の文化なのである。メリスマ(コブシ)は世界共通のアイコンだし、それを聞くことや歌うことで家族や友人に笑顔が浮かぶ。現に地上波で人気なのも、歌謡曲の番組である。音楽業界が衰退してきているのも、平成になってから歌謡曲を捨ててきたことに、誤算があったのではないか。
阿久悠さんは、北原ミレイさんの〈ざんげの値打ちもない〉という曲に、ファドの風味を託したのだという。しかし作曲家がイメージしたのは、三畳一間の部屋に裸電球。これが歌謡曲のふところの大きさである。
■ファドと三畳一間の部屋。〈ざんげの値打ちもない〉の制作秘話。
■上村一夫さんの劇画を集めている。一青窈さんのコレクションには負けますが(笑)。
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余談だが、musicmanに日本レコード協会会長である石原敬一さんのインタビューも載っていた。このコラムの最後のページには、彼が歌謡曲についてどのように考えているかが読める。こちらもぜひご覧になってください。
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by k330910
| 2009-10-03 14:40
| 音楽