本は〈勘〉も鍛えることができる。 |
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最近とみに〈本〉を特集する雑誌が多い。本を特集すると雑誌が売れるそうで、今月のBRUTUSは“本が人をつくる”特集だ。本が人をつくるのは至極当然なことで、言うまでもない。相手とことばを交わさなくても、その人の本棚を見ればどういうことを考えている人なのかが自ずとわかる。だから自宅に行くと、本棚を隠そうとする人も多い。本はそれほど〈人となり〉を物語るのだ。
一廉の人間になるには学歴はほとんど関係ないが、本を読んでいるか否かで決まるものだと感じることが多い。教養があるから秀でているわけで、秀でている人間と対等に話すには、それ相当の教養が必要だ。仮に彼らと同じ土俵に立てるチャンスがあっても、こちらが非力であれば相手が興味を示さないであろう。不思議なもので話に深みがないのを、相手は見透かすわけである。だからチャンスを活かすためには、教養が必要だと私は考える。文化人でもスポーツ選手でも、お笑いの人たちでも、第一線に立てるのは教養があるからに他ならない。
また本を読めば、語彙や知識を増やしたり、読解力をつけるだけではなく、分析力や想像力をつけられるーーーひいては〈勘〉を鍛えることができるのだ。実は私、これが非常に大きいのではないかと思っている。分析力や想像力が上がれば、自ずと勘がよくなるに違いないと。もちろん感覚に依存する場合も多いのだが(感覚人間の私は特にそうだ)、理論による裏づけがとれたら一層当たる確立が高まると考えている。
〈勘〉については、こちらとこちらに書いたことがある。興味のある方は、ご覧ください。
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ここ数日フジファブリックを聴いているうちに、eggが聴きたくなってしまった。志村さんがこれを聴いていたかは定かではないが、プログレはいろいろと聴いていただろう。
ちなみに私は10代の頃、英国のPUNK〜NEW WAVEにどっぷり入り込み、それからブリティッシュロック一辺倒となった。そのせいか石坂敬一さんや、赤岩和美さん、阿木譲さんの本をよく読んできたのだ。私の場合、ヘビーメタルはほとんど聴かないけれど、プログレは結構聴く。eggは23歳くらいの頃よく聴いていて、それ以降カンタベリーの世界に傾いていったんだと思う。この時私は初めて知ったのだ。世の中、2・3・4拍子だけじゃないんだと(笑)。雑誌の『マーキー』の人たちとも出会ったのは、この頃だと思う。
eggを聴くと、なぜか宇宙へ旅立ちたくなってしまう。不思議な魅力を持ったバンドである。