アレンジャー大村雅朗氏。 |
私の特に好きな彼の作品は…
■山口百恵『謝肉祭』
■八神純子『みずいろの雨』『思い出は美しすぎて』『思い出のスクリーン』『ポーラスター』『パープルタウン』『Mr.ブルー』(全部名曲だ・・・)
■渡辺徹『約束』
■松田聖子『青い珊瑚礁』『夏の扉』『SWEET MEMORIES』
百恵ちゃんの曲のなかでも『謝肉祭』は特に好きな作品だった。『ペルシャの市場にて』を想起させるイントロもさることながら、出だしのアレンジがすごい!ハープ(このコード最高)やオーボエ、フラメンコギター…とこれだけの音色を巧みに使いつつ、実に遊び心のあるフレーズを差し込み、絶妙なアレンジに仕上がっている。新人ながら、大スターを手がけることになったわけだから、奮起してつくったんだろうな。それにしてもこの曲は、豪華。熱意が切々と読み取れる。
八神純子はアレンジのおもしろい作品が多い。『思い出は美しすぎて』がボサノヴァ風にアレンジした戸塚修氏の作品を聞いて、大村氏も遊びこころを触発されたのではないだろうか。
松田聖子のことはあまり書いたことがなかったが、彼女の声は音色として非常に魅力があると思う。新人のときから歌も下手ではなかったが、それ以上に彼女の声は音色として魅力がある。
そういえば最近は、音色として魅力のあるヴォーカリストがいない。声高に個性といっているわりに、個性を感じられる人がいないのはなぜなんだろう。しかも素直に歌うヴォーカリストが少ない。どこか歌を歌うための声をつくっているように感じてしまう。そのせいか抜けがなく、聞いているとこちらの不満ばかりが残る。ちっとも気持ちがよくない。
老若男女を問わず、日本人が歌謡曲を聞いていた頃は、作品も奔放だった。ミュージシャンひとりひとりが、際立っているせいか名前もしっかり覚えられた。今は“かぶる”ミュージシャンって結構多いもんなあ。音楽が売れないのも仕方ないような気がする。