足場をつくっていく過程。 |
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その後、ハードルや砲丸など、競技に必要な用具をつくるメーカーの開発部の方が登場。デザインでハードルを低く見せたり、色で砲丸を軽く見せたり、さまざまな工夫を施していることがわかった。しかし競技用具というのは、思いのほか高価なものなんだなあ。数百万する用具がたくさん使われているのを観て、本当に驚いた。
私がテクニカルライティングを行うときには、彼らのようなメーカーの開発部の方と話をすることが多い。新製品の概要のレクチャーを受けるのだが、これが大変おもしろい。私はモノづくりをする人と話をするのが好きなので、いつも彼らを質問攻めにしてしまう(笑)。
世の中にない新製品についてレクチャーを受ける場合は、こちらが内容を理解するのも難しい。何しろ世の中にないシロモノだから想像しにくいこともあり、あてがはずれることも多い。思いのほか想像力と理解力が必要な仕事で、最初のうちは本当に苦労したものだ。また一度フラッグシップモデルを手がけると、後継機についてはレクチャーを受けることなく進めなくてはならない。極端な場合は、機材のリアパネル(機材の後ろにある端子の部分)の写真だけ渡され、お願いしますといわれることも多い(苦笑)。端子がわかれば大丈夫でしょ?あとはそちらで内容をすべて考えてね、ということである。
モノづくりの仕事はたいへんだけれど、足場をつくっていく過程はとても楽しい。これがあるからこそ、私はやっているのだけれど。