山口小夜子さん、亡くなる。 |
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モデルの山口小夜子さんが亡くなってしまった。悲しい…。彼女は私の大好きな70年代に活躍していたが、あのエキセントリックな雰囲気は幼いながらとても魅力的に感じられた。スティーリー・ダンの『aja』にも彼女の写真が使われたっけ。彼女がそこにいるだけで、情景や空気が変わる。圧倒的な存在だったと思う。
70年代は文化的なレベルが非常に高く、なおかつ個性の際立った存在が多かった。私はかすったくらいの体験しかないが、どこか一味違うなと感じてたような気がする。おそらく当時の人たちは、生きてきたバックグラウンドが千差万別だったからではないだろうか。大陸で生まれ育ったり、貧困の差があったり、戦争に遭遇したり…で並々ならぬ体験をしてきたからだろう。インプットが強烈であれば、必然的にアウトプットも強烈になるように思う。彼らにはどう逆立ちしても、かなわない。
山口小夜子さんのこの写真を見ると、なぜかある歌を思い出してしまった。南こうせつさんの〈夢一夜〉。南こうせつさんの曲には全く興味がないのだが(笑)、この歌詞は秀逸で、子どもの頃から惹かれていた。もちろん意味はわからなかったのだが(笑)、歌詞の雰囲気だけでうっとりしていたのだと思う。けっして私はおませだったわけではなかったが、ことばの美しさに“大人って素敵だな”と思っていた。今でもこの歌詞は、妖艶で大好きである。