無意識に潜む、意識。 |
雨はそれほど好きではないが、家のなかから聞く雨音は好きだ。音楽やアートに興味があるせいか、イメージの世界に身を置くのが好きなんだと思う。また文章や音には行間や無音の部分があるけれども、そこが〈裏〉ではなく、むしろ〈表〉の部分だと思えたりする。デザインもそうだが、私は空白の部分をどれだけ活かせるかが、センスのような気がしてならない。見えないところにどれだけ配慮できるかに、作り手の腕を見てしまう。
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はじめて出会うWEBデザイナーさんは、私の場合まず服装の色を見る。色合わせというのはWEBにとって大切な要素のひとつ。服装の色で、その人の色彩感覚を感じ取ることができるような気がしててならない。それに異を唱えたWEBデザイナーさんもいたが、こちらが納得できるような反論は聞くことができなかった。おそらくその人は“気にしてない”からだろう。
先日書いたテレビ東京の『メデューサの瞳』ではないが、ふだんの暮らしの中にその人の潜在意識が見え隠れすることが多い。大きな会社の社長クラスになると、必ず仕事で使う〈意識〉と生活のなかの〈無意識〉が結びついていることがわかる。だからこそ、何気ない質問を投げかけていくうちに、その人のひととなりがわかるのだ。毎日着るものとはいえ、それをないがしろにして仕事だけ色合わせを行うというのは、むしろ不自然な気がする。こちらには色合わせが苦手か、興味がないとしか受け取れない。着ているものはTシャツでも構わないけれど、色に興味があるんだなとか、得意なんだなと思わせてほしい。私は色に対してとても興味があるので、千載一遇のチャンス(それは言い過ぎ)とばかりに楽しんでしまうほうなのだが。
余談だが『メデューサの瞳』を観ていて驚いたのは、大手エステティックの男性社長が、「男性用トイレが混んでいたら、女性用トイレを迷わず使う」と言っていた。これですぐにその人が大手エステティックの男性社長とわかったのだが、毎日女性に囲まれている職場にいると、それだけ意識も変わっていくらしい。これには驚いたな…。