実力があるからこそ、フラット。 |
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リハビリを行っている病院では、例の中国の女の子に会う。その病院は、私といっしょに入院していた子の溜まり場になりつつある。ランチの時間だったので、いっしょに渋谷で食事をする。
彼女とは中国の話をすることが多い。そのせいか、中国のテレビ番組をよく観るようになった。NHKの『関口知宏さんの中国鉄道大紀行』も時間があれば観ている。関口知宏さんを観ていると、なぜか70年代の青春ドラマを思い出す。彼の風貌とキャラクターが、そう思わせるのかもしれない。
彼はご両親も祖父もゲーノー人で、生粋のおぼっちゃまであるはずだが、あまりそういう感じには見えない。音楽もやっていたり、絵も描いたりするそうだ。私はワールドミュージック好きなので、『コーヒールンバ』をお母さん(西田佐知子さん)が歌っていたという点でも、彼には興味を持っている。
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スポーツ選手たちの謝罪会見を、ちらりと観る。気分が悪い。観たことをとても後悔する。私はスポーツをエンターテイメントのひとつとして観ているので、気分を損なうものは観たくない。チャンネルを替えても同じようなニュースをやっているため、しまいにはテレビを消してしまう。
不思議なもので態度の悪いスポーツ選手ほど、実力が伴わないように感じる。実力のあるスポーツ選手は、なぜか常にフラットだ。浅田真央さん、野口みづきさん、谷亮子さん…。彼女たちはごく当たり前に会見に臨んでいる。おそらく彼女たちはインタビューのようなところで、余計なエネルギーは使わないのだろう。度胸もいいからこそ、平常心でいられるのだと思う。力が満たない選手は、大口叩かずにふつうにしてればいいのにと思うけれど、ハッタリをかまさなければやってられないのかもしれない。最近スポーツをよく観るせいか、本番前の態度で成績までも読めるようになってきたような気がする(笑)。
ただああいう不遜な態度が好き、という人間もいる。私の周囲にもいるのだが、いつかの逮捕から退陣へ追いやられたIT企業の社長のことも好きだと言っていたな。全く気が知れない(笑)。個人的にそういう人は、コンプレックスの裏返しではないかと睨んでいる。力があって、清々しい会見のほうが観ていて気持ちいいと思うのだが、それでは物足りないのか。