鎖を握っていないと落ちる。 |
考えてみれば、持っていくところのないほどエネルギーがあふれていたのだろう。幸いなことに私は著名人ではないので、当時のVTRなどが残っていないのがありがたい。しかし著名人であれば粋がっているところも人の目に留まり、記録としても残される。「これがおまえだ」と。怖い。恐ろしすぎる。
ある程度の年齢になると、とてもラクだ。客観的でいられる。10代や20代を見て笑っている大人に憧れながら、年齢を重ねてきた。ずっと今くらいの年齢をキープしておきたいくらいだが、そこは人間の哀しいところ。確実に年をとる。最近では人間の一生というのは、かくも短いものかと思うことのほうが多い。
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沢田研二さんの20代のVTR。粋がっているようで、しっかりとジュリーを演じているのがわかる。自身を〈ブランコに乗っている感じ〉と評し、鎖を握っていないと落ちるからと話す。名監督・長谷川和彦さんとの会話にも、本音をちらほらのぞかせる。個人的には、PYG時代の音楽が聴けるのもうれしい。
■青春・沢田研二(1)
■青春・沢田研二(2)
丸の内線に乗って新宿へ向かう、沢田研二さんと萩原健一さん。駅や電車の様子は今とほとんど変わらない。
新曲のたびに驚かせてくれた沢田研二さんも、団塊の世代というから60代なのだろう。ずっと今のままというのは、幻想だ。時間はあっという間に過ぎていく。人生は短い。