阿久悠さんの一周忌@伊東市宇佐美 |
ゆっくり展示物を観るためにできるだけ早く行こうと、新横浜からこだまに乗る。新幹線に乗っても片道4,000円程度。熱海は近い。鎌倉から浜松あたりまでは、私が愛してやまない風景だ。仕事でもこのあたりは出かけることが多かった。某大手フイルム会社の仕事で御殿場、某大手楽器メーカーの仕事で浜松によく行ったものだった。
■新横浜駅にて。こだまに乗るのは久々だ
■熱海に到着。2年前とほとんど変わっていない
熱海からは伊東線というローカル線に乗る。連絡に5分ほど待つ。これが耐えきれない私は、よくも悪くも東京慣れしてしまったんだなあと思う。熱海から伊豆にかけて海沿いにもかかわらず、急勾配の山々が並んでいる。この急勾配からながめる海岸が美しいからこそ、避暑地として別荘が建つのだろう。質実だった阿久さんも、これが唯一の贅沢だったに違いない。
■熱海駅から伊東線に乗り換える。ローカルな雰囲気たっぷり
■東京じゃ山は観られない。今日は天気もいい
■宇佐美駅に到着。今回のイベントがなければ、下車することのない町だろう
■駅の近くは、比較的緩やかな山が並んでいた
宇佐美区のコミュニティセンターは、駅から5分ほどのところにあった。ごくごくふつうの公民館だったけれど、とても温かい地元の方々によって開催されているのがよくわかった。スタッフの方々も非常に感じがよい。写真を撮らせていただいてもよいですか?と訊ねると、みなさん笑顔で応えてくださる。
■会場に貼っていたポスター。町の香りが漂うのがいい
会場では、阿久さんの功績がたくさんのパネルに綴られていた。生原稿のコピーもあり、それを読むのも自由だった。足をとめて静かに読んでいく。また数々のレコード大賞の楯やトロフィーも並んでいた。当時の年末には、実際これを抱えていらっしゃったんだなあ、と思うと感慨深い。
■実に簡単なことばで、華麗に語りつくす。いかにも阿久さんらしい詩だ
■生原稿のコピーが並ぶ。文字は案外ヘタだと思う(笑)
■阿久さんの著作がパネルに
■この詩は有名。読んでいる人が自然にうなづく、という着眼点が素晴らしい
■人間は過ぎてから気がつくことが多すぎる。愚かだよなあ
■レコード大賞をはじめとする、数々の楯やブロンズ像
■阿久さんは絵も描く人だった。コピーライターだったからね
■会場にあったプライベート写真。まるで私がとったかのよう(笑)
■子どものような瑞々しい視点で、書いた詩
また阿久さんの著書も多数並べられていた。来場の方々が自由に読めるのも、うれしいところだ。未読の一冊を手にして読むと、危うく泣きそうになる。鼻をすすって一生懸命にこらえた。
印象深かったのが、伊東市の市長とのインタビューで「阿久さんの印象に残る町はどこですか?」の問いに、難しいと言いつつも湯布院を挙げていた。これにはびっくり。彼は大分が好きだというのは知っていたけれど、そこまで好印象を抱いていたとは。
■湯布院は文化の匂いがする町とおっしゃっている。うれしいな
ふたたび伊東線に乗り、熱海へ。相変わらず駅前が、別府を思わせる。温泉町は、みんなこうなのだろうか。鎌倉から伊豆あたりまでの東海道は、別府に似たところが本当に多いのだ。おみやげをいくつか購入したあとで、駅前でお茶をする。前回熱海に行ったときにも、ここでお茶をしたっけ。徒歩1分というのが魅力的だと思う。
■駅前の風景。下り坂になったアーケードが印象的
■駅から徒歩1分のCAFE KICHI。熱海に行くたび、立ち寄らせていただく
ヘーゼルナッツコーヒーを飲みながら、店員さんと前回立ち寄ったときの話をする。カメラを持っていたので、そのときの写真を見ながらの会話。店内は2年前とほとんど変わらない。相変わらず気さくでキュートな店員さんたちだった。
■店内から外をながめる。ずいぶん涼んだな
■店内の様子。2年前と少しも変わっていない
帰りはのぞみを使わず、東海道線の快速で帰った。景色をながめながらの帰宅が、うれしくて仕方がない。次回熱海〜伊豆に行くときには、温泉だな。